ここでは、ホームページ内で紹介している賢治さんの作品を掲載しています。関連した項目と対応させながら読んでみましょう。
酔ひて博士のむづかしく 慶応出でし町長も たゞさりげなくあしらへば 縮れし髪を油もて うち堅めたるをみな子も なすべきさがを知らぬらし 面をひそめて案ずるは 接待役の郡の技手 ことあたらしくうちしける 青き藺草の氈の上に 人人のかげさゆらげば 昨日も今日もめぐり来し たばこばたけのおもひあり また人人の膳ごとに 黄なる衣につゝまれて 三尾添へたる小魚は 昨日も今日もたどり来し くるみ覆へるかの川の 中に生(あ)れたる小魚なれ 村長われが前に居て わが酒呑まず得酔はねば 西瓜を喰めとすゝむるは 組合村の長なれや あゝこのま夏山峡の 白き銀河の下にして 天井ひくきこの家に つどへる人ぞあはれなれ
女の子。女性。作品中では、宴に同席した芸者を指しています。
敷き物。
さゆらぐ=かすかに揺れている様子。