書庫

ここでは、ホームページ内で紹介している賢治さんの作品を掲載しています。関連した項目と対応させながら読んでみましょう。

霧降る萱の細みちに

霧降る萱の細みちに われをいぶかり腕組める なはたくましき漢子かな 白き上着はよそへども ひそに醸せるなが酒を うち索めたるわれならず はがねの槌は手にあれど ながしづかなる山畑に 銅を探らんわれならず 検土の杖はになへども 四方にすだけるむらどりの 一羽もために落ちざらん 土をけみして培(つちかひ)の 企画をなさんつとめのみ さあればなれよ高萱の 群うち縫えるこのみちを わがためにこそひらけかし 権現山のいたゞきの 黒き巌は何やらん 霧の中より光り出づるを

霧降る萓の細みちに】この言葉はどんな意味


ぎ、かや

屋根葺くイネ植物総称

漢子
かんし

男の子

すだける

すだく=にぎやかに鳴くこと。ここでは、周囲でにぎやかに集まって鳴いている様子詠んでいます。

けみ

検見立ち会って調べること。


つちか(い)

栽培する。植物育てること。ここでは、農業盛んにするための調査であることを示しています。