早池峰山(1917m)


ごつごつした岩肌荒々しい表情をのぞかせる早池峰山

岩手県東部連なる北上高地。その最高峰古くから霊峰として人々信仰集めてきた早池峰山です。蛇紋岩として知られ標高1300mを越えると、奇岩巨岩数多く見られます。高山植物宝庫とも呼ばれ、200越える早池峰生息している植物には、早池峰山でしか見られない早池峰山分布のもっとものラインとなる北方など貴重植物生息しています。

薬師岳(1645m)


早池峰山向き合うようにそびえる薬師岳左奥


薬師岳頂上付近にひっそりと安置された権現様

早池峰山南側にそびえる薬師岳小田越隔て早池峰山向かい合う姿は、「早池峰呼べ薬師答えるようだ」と、その近さ表現されてきました。蛇紋岩のごつごつとした岩肌早池峰山異なり、ダケカンバ、アオモリトドマツ、ブナなどの広がります。樹林帯には、大きな花崗岩見られ岩陰には静か輝くヒカリゴケの姿も。山頂には、石造り権現様安置されています。

鶏頭山(1445m)


ふもとからはのトサカのように見える鶏頭山頂部分

には、その姿例えたものが多くありますが、鶏頭山もそのひとつです。山頂付近折り重なった巨岩が、のトサカのように見えたことから名づけられたのだとか。山頭部には、石造り地蔵菩薩立っており、大迫地方では、“地蔵のお”として信仰されていました。近年まで女人禁制だった早池峰山変わり女性登ることを許されでした。

権現堂山(476m)


なだらかで甲羅のような権現堂山

花巻方面から早池峰山望むとき、早池峰山手前にまるでたわるように見える優しい丸み帯びたが、権現堂山です。山頂付近には、「熊野山」と刻まれ石碑やかつてのお見ることができます。熊野信仰以前は、早池峰山遥拝所があったと伝えられています。

賢治さんが埋経願った


賢治さんが遺言配布願った国約妙法蓮華経
資料提供 早池峰と賢治」の展示館


晩年賢治さんが言葉記し手帳

信仰のひと、賢治さん。童話「ひかりの素足」には、賢治さんが信仰していた法華経経典のひとつ「如来寿量品」が大切なキーワードとして登場しています。また、賢治さんが病床書きためた「ニモマケズ」が記され手帳からは、岩手県内の32の列挙されたページが発見されています。このページには「経埋ムベキ山」というがつけられており、一度書いてから消されや、から筆記用具書き加えられたがあるため、賢治さんが埋経計画練っていたのだろうと推測されています。早池峰山鶏頭山権現堂山も、経埋ムベキ山としてその記されていました。

賢治さんは、「国訳妙法蓮華経」を1000部印刷し、友人・知人配ることを遺言として託し亡くなります。その想いは、賢治さん自身からあふれ、ほとばしるような祈りそのものだったのではないでしょうか。

雨ニモマケズ」(作品

ひかりの素足」(あらすじ)

映像を見よう

  • 経埋ムベキ山

賢治さんと探そう!

  • 賢治さんが銀河の森深く関わることになったきっかけは、大正(1918)に行われ稗貫郡土性調査です。盛岡高等農林学校研究生だった賢治さんが、調査実際歩いたルートをたどりながら、銀河の森伝わる文化歴史風土学びましょう。作品とのかかわりも紹介しています。

    土性調査向かうは、権現堂山越え行きました。また、賢治さんが宛てたハガキには、行程予定として、岳集落早池峰山七折の滝などの地名記されています。童話「どんぐりと山猫」に登場する花崗岩見られる“まつ”や、笛貫の滝がモデルとされる“笛吹きの滝”の情景描写など、地質地形名勝地など地理的なポイント熟知したうえで、作品織り込んでいったと考えられています。

    賢治さんの調査ルートを見てみよう

    赤いルートがこのページで紹介している場所対応しています。(権現堂山~亀ヶ森~大迫中心部~早池峰山一帯