わらべ唄と一口に言っても、さまざまな種類があります。手まり、羽根つき、お手玉、縄跳びなど、子どもたちが遊びながらテンポをとる「遊び唄」。寝かしつけるときの「子守唄」。そしてお正月や七夕、厄病除けなど風習と共に歌われる「歳時唄」など。
「雪渡りカンコ」は、雨や風、虹、雪などを歌った「自然の唄」。岩手県を中心に北東北に分布しており、地域によって歌詞が異なります。
「雪渡りカンコ」に限らず、広い地域で愛されてきたわらべ唄は数多く遺されていますが、誰がどのように伝えていったのでしょうか。行商人という説が一般的ですが、山間の集落では、“法印さま”と呼ばれた山伏が医療や教育に貢献していました。関所なども自由に通過することができた山伏たちが伝えたものだとする説もあります。
テンポよく、言葉遊びを取り入れた「雪渡りカンコ」。岩手県内に伝わる各地域の歌詞を比較してみましょう。
○堅雪かんこ、凍み雪しんこ、しもどの嫁コァ、ホーイホイ(九戸村伊保内)
○堅雪かんこ、凍み雪しんこ、こんこんの寺さ、小豆ばっとはねた、
小豆ぁ凍み凍み凍み通って、豆コころころ、小豆そろそろ(西和賀町)
○芽々コ珍し、花コはずかし、堅雪こんこん、こんこんのお寺さ、
小豆鳩とまって、豆コころころ、小豆そろそろ(花巻市湯口)
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