ごあいさつ

豊かな自然環境を守るために
私たちがお伝えしたいこと

私たちと自然
環境について子どもたちが学ぶことの大切さを考えてみたことはありますか。地球温暖化や森林減少、ゴミ問題など、現代の自然環境を取り巻く問題は多様で複雑化しています。
地球規模の大きな話だと目をそらしてはいませんか。私たちが使う水はどこから来てどこへ流れていくのか。身近な自然は暮らしとどのような関係があるのか。そんな身の回りのところから、見直し、考え、実践していくことこそ、大きな一歩となるのです。
自然は人間に恵みをもたらしてくれますが、時に厳しい一面も見せます。2011年に発生した東日本大震災によって、私たちの暮らしだけでなく、自然環境にも大きな変化がありました。先人は、自然の厳しさを理解したうえで、共に暮らすすべを模索し続け、現代においても暮らしの知恵や伝承の中にその教えが息づいています。
自然との共生、そして環境保全について、次世代を担う子供たちと一緒に学んでみませんか。このホームページでご紹介しているプログラムは、ご家庭で気軽に学習でき、実践に結びつけることができる教材として、平成25年度地球環境基金の助成を受け、開発したものです。

子どもたちへのメッセージ
モデル地としたのは、岩手県の中央にある早池峰山域から閉伊川流域、宮古湾にいたる地域です。古来、信仰の山としてあがめられた早池峰山、そして山域に源を発する川から海へ。水の流れ、時の流れを遡りながら、自然と私たちの暮らしについて紹介しています。
地域での聞き取りや資料収集、体験学習などの取材を重ね、「私たち大人が子どもたちに今、伝えるべきこと」を大きな柱として編集しています。
また、自然環境や環境保全活動の"今"をよりリアリティを持って知っていただくために、併用の映像DVD教材も作成いたしました。雄大な自然の姿や、そこで生きる命の輝きをとらえた映像に加え、災害のすさまじさを口づてに伝えてきた民話の紙芝居を収録するなど、広がりのある内容で構成しています。

賢治さんが感じた自然
岩手が生んだ作家・宮沢賢治。学者であり、農学校の教員でもあった賢治は、自然の姿をありのままに作品に描き出しています。教材では、童話「グスコーブドリの伝記」を通して、モデル地域の気候風土との比較や、冷害の恐ろしさについて触れています。豊かさや恩恵をもたらすだけでなく、厳しい一面も持ち合わせている自然の姿を子どもたちに知ってほしい―。そんな願いを込めて、親しみやすい童話を入り口として、自然観について考える内容を盛り込んでいます。

ふるさとの自然を守り、受け継いでいくために
放流されたサケ・サクラマスが元気に戻ってくるきれいなふるさとの川をいつまでも守りたい。山や川、そして海と人とのつながりが体感できる未来であってほしい。そんな想いがたくさんの子どもたちに受け継がれていくことを願っています。ご家庭はもちろん、教育現場でのご活用を通じて、環境保全の取り組みが実践的に広まっていく一助となれば幸いです。

特定非営利活動法人 岩手芸術文化技術共育研究所
理事長 南幅 直実